「こんにゃく」とは
こんにゃくは、サトイモ科コンニャク属の植物で学名をAmorphophallus rivieri Durieu var. konjac (A. konjac)、和名はコンニャクと呼ぶ夏緑多年草。
いま、日本で「蒟蒻(こんにゃく)」と呼ばれる食品は全国で広く日常的に食べられており、おでんや煮物、用いられるほか刺身のようにして食べる料理法や、形状を変えてそうめんのように食べられるものも考案されていたりしている食品です。
インターネットで「こんにゃく」というワード、海外でも「蒟蒻」で検索されることも増えており、それは健康ブームで美容・ダイエット食品として流行し始めた段階にあります。
こんにゃく芋に含まれるコンニャクマンナンという多糖を糊化し、アルカリ液を用いて凝固させ、独特の食感を持つ食品。
ビニール袋やプラスチック製のパックや缶詰などで販売されており、通常調理の際は一旦煮込んで灰汁抜きをするが、灰汁抜きが不要な製品も多く見られるようになった。
96~97%ほどが水分で、水分を除くと主成分はグルコマンナンで人の消化管ではほとんど消化されず、腸内微生物により一部脂肪酸に変換されるため、カロリーが極めて低い食品の1つとされ、食事制限など摂取カロリーを制限する必要のある場合の食品素材としてよく利用されています。
こんにゃくの誕生から現在まで
- 様々な説がありますが飛鳥時代、聖徳太子が生まれる少し前の頃に朝鮮から伝わった説、同じく飛鳥時代に遣唐使が持ち帰ったという説が有名です。
- 当初は医薬用として珍重されており、貴族・王族しか食なかったですが、暫くすると一般の人の食べ物になっていったようです。
- こんにゃくが載っている日本で一番古い書物である平安時代の歌人、源順が書いた「倭名類聚抄」という辞書で『蒟蒻、其の根は白く、灰汁をもって煮れば、すなわち凝成す。苦酒(酢)をもってひたし、これを食す。』と詠われています。
- (※訳:コンニャクの根っこは白く、灰から作ったアク汁で煮ると固まり、酢をつけて食べる。)
- このように、すでにこんにゃく芋を灰汁で処理することで食用となることが知られ、その後で平安時代の「拾遺和歌集」内にも詠われており、こんにゃくが常食化したのは鎌倉時代以降と思われます。
- 当時の教科書には、こんにゃくをたれ味噌で煮て、唐伝来の間食をしたと記され、室町時代には都の路上でこんにゃくを売る姿が見られるほどになりました。
- このように精進料理や菓子や間食としても利用され、戦国時代には織田信長が赤こんにゃくを作らせたり、豆腐や納豆とともに食用として食べられるようになりました。
- しかし庶民の食品として広く普及したのは江戸時代から、あの松尾芭蕉も好んで食べたと言われ、詩にも使用されるほどに普及、その後1776年、中島藤右衛門がこんにゃく芋を薄切りにして乾燥させ粉末にするという技術を発明したことでこんにゃくが一気に広まり、料理書も発行されました。
- このように、1,000年以上にわたって代々受け継がれてきた日本ならではの食材こそが「こんにゃく」なのです。
こんにゃくの種類と特徴
板こんにゃく
- 厚い板状に切った一般的なこんにゃく製品です。
おでんの定番メニューでもあり、田楽や焼もおすすめ。
玉こんにゃく
- 成形せず丸めて茹でて作ったこんにゃく。
そのまま煮物や炒め物に加え、料理のアクセントとして。
刺身こんにゃく
水分が多く、そのまま食べられます。
酢醤油、わさびでそのまま、サラダやあえ物に向いています。
糸こんにゃく
短期間で味が染みるので、鍋やすき焼きに向いています。
「白滝」とも呼ばれます。